今回のNST勉強会は、管理栄養士が講師を務め、「NST(栄養サポートチーム)と褥瘡の関わり」をテーマに開催されました。
勉強会の目的は、NSTが褥瘡患者に介入する意義や、褥瘡における適切な栄養管理について理解を深めることです。
はじめに、褥瘡発生のメカニズムやリスク因子、低栄養との関係性について学びました。
続いて、NSTによる介入がもたらす臨床的・経済的な効果について、具体的な事例を交えて解説がありました。
臨床的効果としては、低栄養状態の改善に加え、誤嚥性肺炎や褥瘡の発生率低下、在院日数の短縮などが挙げられます。また、経済的効果としては医療コストの削減が期待されることも示されました。
さらに、院内における褥瘡発生率のデータをもとに、仙骨部褥瘡患者の入院理由や発生場所、診療科、入院時の絶食割合、栄養投与ルートなどを分析し、各部署で取り組める課題について参加者全員で考える機会としました。
後半では、「褥瘡の改善とCV(中心静脈栄養)抜去に至った一症例」についての症例発表が行われました。
この症例では、治療中に食事摂取量が減少した患者様が、「ビールや焼酎を飲みたい」と希望されたことから、看護師やリハビリスタッフと連携し、栄養剤や水分を『おちょこ』で提供するという柔軟な対応を実施。その結果、食事摂取量が改善し、治療の前進に繋がった事例として紹介されました。
参加者からは「自分の職種としても、患者様の希望にもっと寄り添えるケアを実践していきたい」という前向きな声が聞かれ、多職種連携の大切さや、栄養管理の意義を再認識する機会となりました。
NST勉強会は年4回の開催を予定しており、次回は言語聴覚士が担当する予定です。今後も、各専門職の視点から学びを深め、よりよいチーム医療の実践につなげてまいります。
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