社会医療法人 三宝会 南港病院

0570-06-2323

大阪市住之江区北加賀屋2-11-15

9:00~12:30 / 16:00~19:00

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ブログ

信頼関係が芽生え、回復への希望を共有。 リハビリの時間が幸せなものになりました。

  • ユマニチュード〜優しさを伝える技術〜
  • 地域にでていくケアをしよう
2024/03/12

進行核上麻痺のN 様、「できるだけ在宅で過ごしたい」という強い希望で当訪問看護ステーションが介入させていただいています。
ある時、左足に褥瘡(床ずれ)のようなものができ痛みが強くなるとともに、左膝関節が動きにくくなってきました。トイレへの移動も椅子への移乗にも、かなりの痛みと努力を伴う状況でした。もともと寡黙な方でしたが、この時期は表情や動作ともに活気が減り、辛い時期を過ごされていることをひしひしと感じました。訪問診療の医師と当ステーションの看護師に治療と処置を実施していただきながら、週1回の訪問リハビリでは、左膝の関節可動域練習やストレッチ、四肢体幹の筋力トレーニング、端座位練習、立ち上がり練習を行っていました。主治医に痛み止めの服薬を処方してもらい、リハビリ中は痛みが軽減するようにもなりました。
その時に、ユマニチュードの技法をより意識して丁寧に取り入れたのです。ノックを3回行い、入室すると視線を合わし、ゆっくり近づきながらご挨拶をするようにしました。また、肩の大きい面を触れていき、お話をしながら知覚の連結をしていきました。施術においても、左下肢を触れる時は、膝からではなく太腿部の近位から広い面で触れていき、膝付近を触れるようになった頃には、リハビリにも協力してくださるようになりました。少しずつ立位練習も自発的に取り組み、歩行練習では歩行距離の延長が見られています。
あの時、「見る」「話す」「触れる」「立つ」というユマニチュードの4 つの柱をより丁寧に見直さなければ、ご本人様と回復への希望を共有できず、私が来る時間はご本人様にとって、とても苦しい時間になっていたと思います。
ユマニチュードを知り、実践することができて、本当にありがたいと思いました。今後も実践していき、よりスキルアップしていきたいです。



訪問看護ステーション 理学療法士 勤続10 年2 か月