社会医療法人 三宝会 南港病院

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ユマニチュード学会 福岡大会2026に参加しました ~全国・世界の実践から学んだこと~

  • ユマニチュード〜優しさを伝える技術〜
2026/10/21

2026年10月17日(土)・18日(日)、福岡国際会議場で開催された「第8回日本ユマニチュード学会学術集会 福岡大会2026」と「国境なきユマニチュード国際会議 in 福岡2026」に、当院のスタッフが参加しました。

全国の医療機関や介護施設による実践報告、ユマニチュード認証施設の取り組み、海外での活動など、さまざまな視点からユマニチュードについて学ぶ機会となりました。

今回、実際に現場で取り組む方々のお話を聞き、ユマニチュードはケアの技術だけでなく、組織づくりや施設の環境づくりにも深く関わっていることを改めて感じました。

ユマニチュードを「知る」ことから「実践し続ける」ことへ

特に印象に残ったのは、ユマニチュード認証を取得した施設による取り組みの発表です。

どの施設も、最初から順調にユマニチュードが浸透したわけではありません。

日々の業務の中で実践を続ける難しさや、職員全体で考え方を共有する難しさなど、さまざまな課題に直面してきたことが紹介されました。

それでも、研修や振り返りを重ね、職員同士で意見を交わしながら課題を乗り越え、認証取得につなげてきた姿が印象的でした。

ユマニチュードを組織全体に浸透させるには、知識や技術を学ぶだけでなく、日々の実践を積み重ね、それを支える仕組みをつくることが大切なのだと感じました。

日本初のゴールド認証施設に学ぶ、ユマニチュードを生かした施設づくり

今回、特に勉強になったのが、日本で初めてユマニチュードのゴールド認証(国際認証)を取得した「小規模多機能型居宅介護事業所 SHIRAKI 梯(かけはし)」の取り組みです。

ゴールド認証は、ユマニチュードの理念を組織全体で実践し、国際基準を満たす質の高いケアを提供する施設に与えられる認証です。

SHIRAKI 梯では、利用者さんの尊厳や自立を大切にするケアに加え、施設そのものにもさまざまな工夫が取り入れられていました。

例えば、身体に合わせて高さを調整できる洗面台や、使いやすさを考えたトイレの手すりの配置。

また、長時間座っても疲れにくい椅子は、清掃時にテーブルと組み合わせることで、床掃除がしやすい構造になっているなど、利用者さんだけでなく、働くスタッフへの配慮も感じられました。

こうした設備の一つひとつに、利用者さんの自立を支え、スタッフが働きやすい環境をつくるという思いが込められています。

人を大切にするという考え方は、日々の接し方だけでなく、建物や設備にも表れる。そのことを実感した発表でした。

参考:日本ユマニチュード学会「日本初のゴールド認証事業所決定」

当院からもポスター発表を行いました

学会のポスター発表では、当院ユマニチュード推進事業部の藤原部長が「シャドウイング動画を活用したコミュニケーション技術向上への取り組みとその効果」について発表しました。

グループ施設の高齢者グループホーム「しらなみ」での実践をもとに、職員自身のケアの様子を動画で振り返り、良かった点や改善点を共有する取り組みです。

自分自身の関わり方を客観的に見つめ直すことで、新たな気づきを得て、より良いケアにつなげていく実践を紹介しました。

国境を越えて広がるユマニチュード

翌18日(日)は、「国境なきユマニチュード国際会議 in 福岡2026」に参加しました。

会場にはさまざまな国や地域から関係者が集まり、高齢化社会への対応や認知症ケア、各国での取り組みなどについて意見が交わされました。

国によって医療や介護を取り巻く環境は異なりますが、誰もが尊厳を持ち、安心して暮らせる社会を目指すという思いは共通しています。

ユマニチュードが国境を越えて広がっていることを知り、その可能性の大きさを感じる時間となりました。

学びを日々の実践へ。そして、新しい病院へ。

今回の学会を通じて、改めて感じたのは、ユマニチュードは「学ぶこと」で終わらせず、「日々の行動にどう生かすか」が大切だということです。

医療・介護の現場では、患者さんへの声のかけ方や接し方を振り返り、学んだことを実践すること。そして、その経験や気づきを職員同士で共有し、チーム全体へ広げていくことが重要だと感じました。

一方、私たち広報スタッフにもできることがあります。

現場で実践されている工夫やスタッフの思いを知り、その価値を患者さんや地域の方々にわかりやすく伝えること。職種を越えてユマニチュードへの理解を深めるきっかけをつくることも、広報の大切な役割だと考えています。

そして、2026年11月には「南港ユマニテ病院」として、新たなスタートを迎えます。

新病院では、患者さんが安心して過ごせる環境や、スタッフが働きやすい仕組みなど、ユマニチュードの考え方を建築や設備にも取り入れています。

しかし、どれだけ建物や設備が新しくなっても、それを生かすのは私たちスタッフ自身です。

新しい環境とともに、一人ひとりがこれまでの行動を見つめ直し、学び合いながら成長していくことが大切だと感じています。

新しい建物とともに、私たち自身も進化していく。

「人を想う医療。」を、言葉だけでなく日々の行動で実現できるよう、これからもスタッフ一丸となって取り組んでまいります。