

8月7日、連日の厳しい暑さが続く中、住之江区の御崎福祉会館で開催されている「頭の体操」に、南港病院の研修医が伺い、地域の皆さまに健康についてのお話をしました。
南港病院が大切にしている「地域に開かれた医療」の取り組みの一つとして開催された今回の地域健康講座。参加された皆さまは、熱心に耳を傾けながら、日々の健康管理について学ばれました。
今回のテーマは、「血糖と脳の健康」です。
講師を務めたのは、JCHO大阪病院から南港病院へ地域医療研修に来ている、内田夕菜(うちだ ゆうな)研修医。
将来は糖尿病・内分泌内科を志望している内田研修医が、専門分野への関心を生かしながら、糖尿病や血糖管理、脳の健康について、地域の皆さまにも分かりやすく解説しました。

血糖値が高い状態が長く続くと、血管に負担がかかり、糖尿病では動脈硬化などの合併症につながることがあります。
脳の血管も例外ではありません。
認知症はさまざまな要因が複雑に関係して起こるため、生活習慣だけで完全に予防できるものではありません。一方で、血糖・血圧・脂質などの適切な管理や、身体を動かす習慣は、脳と身体の健康を考えるうえで大切なポイントです。
講座では、近年注目されている難聴と認知機能の関係についても紹介されました。聞こえにくさを感じたときにはそのままにせず、必要に応じて医療機関へ相談することも大切です。
糖尿病や血糖管理について考える際、よく耳にするのが「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」です。
HbA1cは、過去1~2か月程度の血糖状態を反映する指標として、糖尿病の血糖コントロールを確認するために用いられています。
ここで内田研修医が強調したのが、
「血糖値の目標は、一人ひとり違います」
ということです。
年齢や健康状態、糖尿病の治療内容、低血糖の起こりやすさなどによって、適切な血糖管理の目標は異なります。
特に高齢者では、数値を下げることだけを目標にするのではなく、低血糖や転倒などのリスクにも配慮しながら、主治医と相談して自分に合った目標を設定することが大切です。
暑い季節に特に注意したいのが脱水です。
糖尿病のある方は、発熱や下痢、嘔吐、食欲不振などによって、普段どおり食事や水分が取れなくなる「シックデイ」にも注意が必要です。
体調を崩したときは、糖尿病の薬などを自己判断で中止・変更せず、早めに主治医へ相談しましょう。
元気なときから、「体調を崩した場合は薬をどうするか」「どのような状態になったら医療機関へ相談するか」を確認しておくことも大切です。
筋肉は、血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギーとして利用する重要な組織です。
加齢による筋肉量の減少を防ぎ、健康を維持するためにも、日常生活の中で無理なく身体を動かす習慣を続けることが大切です。

「毎日しっかり運動しなければ」と考えるのではなく、まずは自分の体力や体調に合わせて、生活の中でできることから始めることが継続のポイントです。

講座の最後には、内田研修医から、日常生活で実践できる健康習慣が紹介されました。
どれも特別な準備を必要とせず、今日から始められることばかりです。
今回の地域健康講座は、研修医が地域の皆さまと直接交流しながら健康について伝えるとともに、地域で暮らす方々の声や健康への関心に触れる貴重な機会となりました。
医療機関の中で病気を診るだけでなく、**「地域で暮らす人を知り、その生活を支える」**ことも、地域医療の大切な役割です。
南港病院は、地域医療研修の受け入れ施設として、研修医や医学生の学びを支えています。
これからも地域の皆さまと医療をつなぐ活動を大切にし、住之江区の地域医療に貢献してまいります。
まずは、今日できる小さな一歩から。
血糖を知り、身体を動かし、人とつながる。
日々の積み重ねが、これからの身体と脳の健康を支える力になります。
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