9月2日、さきしま地域包括支援センターは住之江区社会福祉協議会と共催で「第2回南港ラジオ体操講演会」を開催。当日は猛暑日にもかかわらず、地域住民ら約50人が参加されました。
「公園の活用」「外出機会の創出」を目的に、当センターは同協議会と協働で2023年9月に南港ポートタウンで「南港ラジオ体操」をスタート。3年目を迎えた現在、地域のアクティブ・シニアの方々を中心に徐々に周知され、健康増進やコミュニティの形成の一翼を担うようになりました。
ラジオ体操の実施場所は南港ポートタウン内にある福祉会館隣接の公園が基本ですが、熱中症のリスクが高い7~9月は南港ショッピングセンター内で実施しています。気候が落ち着く10月に再び公園に戻る予定であることから、参加者のモチベーションをより向上させ、健康増進への意欲を促すことを目的に、今回の講演会開催の運びとなりました。
今回の講演会は、森ノ宮医療大学総合リハビリテーション学部作業療法学科の由利禄巳教授が講師として登壇。「動いてつながって!ラジオ体操でサクセスフルエイジング」をテーマに、以下について講演されました。
●サクセスフルエイジング(良い人生を送り、天寿を全うすること)
●QOLを向上するための方略
●目標設定のポイント
●介護予防教室の研究
●ラジオ体操の効果
●ラジオ体操と作業療法理論
由利教授は、自身の研究内容(介護予防教室)も交えながら、「老年期のQOLを向上させるためには目標達成の3つの要素(目標の選択・最適化・補償)が大切です」と述べ、目標達成のためのポイントを次のように説明しました。
●自分に合わせた柔軟な目標を持つ
●目標達成に向けて道具や人の手を借りる
●小さな「できる」を楽しむ
さらに由利教授はシニア世代の方々が日々活動的に健康維持を継続させるツールとして「ラジオ体操が最適です!」と提言。下肢筋力・動的バランスの向上といった運動効果はもとより、生活リズムの改善、社会とのつながりの効果等々、ラジオ体操の有効性について解説しました。
「設定した目標を習慣化させるコツはありますか?」という参加者の質問に対し、由利教授は「目標のハードルは低めに設定することをお勧めします」と回答。これを受け、会場からは「ラジオ体操は続けられそうです」との声が多数上がりました。
今回の講演会には旭松食品株式会社、大塚食品株式会社、サラヤ株式会社、株式会社舞昆のこうはらの4社が協賛。フレイル予防や口腔ケアなどに効果的な商品のサンプリングが行われました。
会場内の展示ブースでは旭松食品は良質なたんぱく質の摂取に有効な高野豆腐、大塚食品は独居の高齢者でも容易に調理できる「マイサイズ」シリーズを紹介。
由利教授が講演内で栄養や口腔ケアの重要性を述べたこともあり、協賛企業から提供された商品を手にした参加者の方々は「これは使いやすそうやわ!」と笑顔で話されていたのが印象的でした。
当センターでは今後も行政と協力しながら、地域の方々の健やかな生活を支える取り組みにも力を注いでいきたいと考えています。
BACK NUMBER