総務省が7月に発表した最新データによると、令和7年6月の全国における熱中症による救急搬送人員は1万7,229人で、6月分の調査を開始した平成22年以降で最も多い人数となりました【図1】
昨年の同期間(5月1日~7月27日)の熱中症による救急搬送人員は4万6,276人。これに対し、今年は5万3,126人(うち大阪府は3,705人)と約6,800人の増加が見られます。記録的な猛暑日が続いたことから、搬送人員が大幅に増えたことが分かります。
熱中症による救急搬送人員の初診時における傷病程度別の内訳【図2】を見ると、約6割が外来診療で対応できる軽症例ですが、入院診療を必要とする中等症例や長期入院を必要とする重症例も全体の約4割にのぼります。
また、熱中症による救急搬送人員の発生場所【図3】を見ると、住居内での発症4割近く、を占めており、屋内での暑さ対策の重要性が浮き彫りになってきています。
夏の暑さが厳しくなるにつれて、熱中症のリスクも高まります。
熱中症は屋外だけでなく、屋内でも発症する可能性もあり、命にかかわることもあります。以下のポイントに注意してしっかりと予防しましょう。
①こまめな水分補給:のど喉が渇く前に、定期的に水分を摂ることが大切です。大量の汗をかいた場合は、水だけでなく、塩分やミネラルも含んだスポーツドリンクなどの補給が効果的です。
②暑さを避ける:日中の気温が高い時間帯(10時~15時)の外出はできるだけ避けましょう。外出する際は帽子や日傘を使用し、日陰を選んで行動してください。
③エアコンの活用:屋内でも熱中症になることがあります。我慢せず、適切にエアコンや扇風機を使いましょう。室温は28℃以下、湿度は60%以下を目安に保つと効果的です。
④服装の工夫:通気性の良い、吸汗・速乾性のある衣服を選びましょう。なるべく明るい色の衣服を着用することで、熱の吸収を抑えられます。
⑤体調の変化に注意:めまい、頭痛、吐き気、倦怠感などの症状があるときには、すぐに涼しい場所に移動して水分・塩分を補給し、必要であれば医療機関を受診してください。
南港病院では24時間体制で救急外来の対応が可能です。熱中症が疑われる場合や急な体調変化があったときは、ためらわずにどうぞご相談ください。
※熱中症の症状があるときは南港病院( TEL:06-6684-8804) までご連絡ください!
※本記事は総務省消防庁ホームページ掲載の「熱中症による救急搬送状況(令和6年・7年)」の公表資料を基に作成しています。
●出典:総務省消防庁ホームページ(https://www.fdma.go.jp/)
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