社会医療法人 三宝会 南港病院

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【8月「地域公開講座」レポート】「窒息の応急処置」に関する正しい知識を発信

  • その他
2025/08/28

第1部は「ユマニチュード」の基本技術について解説

8月18日、めばえキッチン(中加賀屋3丁目のつるさんかめさんとみんなの家 1階)にて「地域公開講座」を開催しました。

今回も2部構成で進行。第1部は当院の認知症看護認定看護師で認知症ケア・ユマニチュード推進部門の藤原香子部長が登壇し、「ユマニチュード(認知症に優しいケア)」について解説しました。

以前もこちらのブログ内でお伝えしたことがありますが、ユマニチュードとは「あなたを大切に思っています」との気持ちを言葉や態度、ふれあいを通じて伝えるコミュニケーション技法です。認知症の方はもちろん、すべての方々に優しさを伝える技法として注目されています。

今回も藤原部長が「見る」「話す」「触れる」「立つ」といったユマニチュードの4つの基本技術について、優しい語り口調で一つひとつわかりやすく説明しました。

認知症ケア・ユマニチュード推進部門の藤原香子部長

第2部のテーマは「窒息の応急処置」

第2部は当院の菅原沙姫救命救急士が登壇し、「窒息と応急処置」について講演。窒息を起こしやすい5歳未満の幼児と高齢者のそれぞれのリスクや応急処置について次のように解説しました。

第2部の講師の菅原沙姫救急救命士

【5歳未満】

・噛む力が弱く丸呑みしがち。

・好奇心旺盛で「小さい」「硬い」「丸い」ものを口に入れて窒息することがある。

※豆、飴、こんにゃくゼリー、ミニトマト、ブドウ、スーパーボール、電池、硬貨、小さな部品 など

【高齢者】

・嚥下力や咳反射、噛む力の低下が主な原因で、食べ物を小さく噛み切れずに丸呑みしてしまう。

・唾液の分泌が少なくなり、食べ物がまとまりにくく、喉に詰まりやすい。

・むせても咳で異物を排出する力が弱く、窒息につながる。

※餅、ご飯、飴、パン、寿司、お粥、りんご、団子、バナナ、カップ入りゼリー など

【応急処置】

●腹部突き上げ法 

・腹部を突き上げ、異物を取り除く。

・窒息している人の背後から片方の手を脇の下に通して拳をつくる。

・拳の親指側をへそのやや上、剣状突起より十分下、身体の真ん中のラインに当てる。

その握り拳をもう片方の掌で包み込むようにつかむ。

・素早く手前上方に向かって圧迫するように突き上げる。

●胸部突き上げ法

・窒息している人の背後から両方の手を脇の下に通し、片方の手の手掌が内側になるように握り拳をつくり、胸骨の下半分(胸骨圧迫の位置)に置く。

・その拳をもう片方の掌で包み込むように突き上げる。

●背部叩打法(はいぶこうだほう)

・左右の肩甲骨を手掌の基部(掌の硬い部分)で連続して強く叩く。

・比較的手技が容易であり、合併症が少ないため、幅広い年齢層で使用できる。

「心肺蘇生術」について実演を交えながら解説

後半は心肺蘇生トレーニングモデルを用いて、意識がなくなった人への心肺蘇生術やAEDの使用方法について説明しました。

なかでも参加者の方々の関心を集めたのは、胸骨圧迫(心臓マッサージ)でした。

胸骨圧迫のポイントは以下の通りです。

【胸骨圧迫のポイント】

・胸の中央に手掌基部を置き、もう片方の手を重ねる。

・腕をまっすぐに伸ばし、手の真上に肩がくるように構える。

・1分間に100~120回のテンポで毎回少なくとも5㎝の深さで圧迫し、必ず胸壁が完全に元の位置に戻るまで待つ。

・胸部にもたれかからないよう注意。

・2分毎または疲労した場合はより早く交代し、質の高い胸骨圧迫を継続する。

まず、菅原救急救命士がトレーニングモデルで実演。メトロノーム音を鳴らしながら「このリズムで行ってください」と呼びかけ、参加者も順番に胸骨圧迫を体験しました。

さらに菅原救急救命士はAEDの使用方法についても実演を交えながら説明、興味深い様子で見学する参加者の姿が見受けられました。

トレーニングモデルを用いて胸部圧迫を実演

「心肺蘇生術」と聞くとハードルが高そうですが、今後も今回のようなテーマの講座を定期的に実施し、救急車が到着するまでに要救助者に対して「できること」「やるべきこと」について周知を図っていきたいと考えています。

次回の地域公開講座は、10月20日(月)15:00から「腸活で病気に負けない身体と美肌を手に入れよう!」をテーマに実施する予定です。