コンプライアンス、コンコーダンスとオープンダイアログについて

2019年3月27日

昔は医療者が患者さんを引っ張っていました。患者や家族を説得して医療者の思う治療をしていったのです。近年には患者さん中心の考え方としてチーム医療の時代になりましたが、患者さんを抜きにして医療者だけが話し合いをしてきました。患者さんの居ないところで私達はカンファレンスをするので患者さんの想いは出てきません。コンプライアンスという言葉は、患者が指示どうりにするかどうかという意味があります。最近では主役である患者さんと一緒に話し合うべきだと気づきました。医者や看護師、理学療法士などの専門職と患者さんが談話することでその人の望むことを引き出していく、それがコンコーダンスです。「無知の知」という言葉があります。私達専門職は、専門知識はあるが患者さんのことは何も知らないということを自覚するのです。一人一人の患者さんのことについては無知なのです。だから患者さんについてご本人から教えてもらうことが大事です。患者さんの人生の物語りを知るナラティブという言葉が出てきます。オープンダイアログは患者さんと同席するチームが定期的に談話していくことで、決して医療者が正しいと思うような結果を求めるものではありません。時代は変ってきています。昔の常識は今の常識ではなくなります。そんな事が出来るの?無理、間違っているでは?これからもどんどん変っていくと思いますから、いつも勉強していないといけませんね。
 


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