認知症(物忘れで困っている人)の人への対応について

2019年4月10日

2016年3月に私が主催した第一回三木塾の記事。

認知症の人の中核にある気持ち(情動)は不安と言われています。本人の気持ちを感じ考えて優しくしてあげる。大切なのは常に「笑顔」。相手から笑顔を向けられるとついこちらもニッコリしてしまいますよね。笑顔になれば、嬉しいとか楽しいとか、自然とそうした気分になり、たとえ言葉は理解できなくても情動でコミュニケーションが取れます。紙マスクは外しましょう。また、優しく触れることも大切です。ちゃんとお名前をお呼びして敬語を使うのもとてもいいですね。

逆に、絶対にしてはいけないのは「怒る」「急かす」「理屈で説明(説得)する」こと。笑顔と同じで怒りの情動も相手に伝わりますから、怒った顔を向ければ、認知症の人には自分に悪意を向けている「敵」だと映るのです。また、急き立てられると、強制されたり拘束されたりするのと同様に不快感が生じます。論理的な思考ができなくなった人に理屈で説明しても、混乱や不安を引き起こすだけです。ですから、よく見掛けるような、つい怒鳴ったり、頭ごなしに叱ったりといった親が子どもに叱るようなやり方で接してはいけませんね。間違ったことをしていても「ありがとう」とか「優しいのですね」とか感謝の気持ちの言葉を添えて対応してはどうでしょうか。

ユマニチュードの技法に、3回ノックしてしばらく間を置いてから部屋に入るというものがある。病室や入居者さんの部屋に入る事を、ご自宅にお邪魔するという思いやりを持ってほしい。ましてや、その部屋で携帯電話に出たりすることは利用者さんの存在を無視するということです。このように、僕たちはできてるつもりでも実際には至らないことが沢山あります。ですので、全員でユマニチュードの技術を学んでお互いにちゃんとできているのか話し合っていきましょう。


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