言葉をかけ続けること ユマニチュードと、私たちが目指す病院
ユマニチュードには、「オートフィードバック」という技法があります。
それは、たとえ相手から返答がなくても、これから行うことを言葉にしながら関わり続けることで、
自分自身のモチベーションやケアの質を保つための方法です。
「今から体を拭きますね」
「少し冷たいですよ」
「もうすぐ終わりますからね」
反応がなくても、相手に向けて語りかけ続ける。
それは相手のためであると同時に、ケアを行う私たち自身の姿勢を整える行為でもあります。

無意識に行っていた「声かけ」との重なり
実は私自身、ユマニチュードを学ぶ以前から、無意識のうちに同じようなことをしていました。
外科医として、全身麻酔で眠っている患者さんの手術を行う際、
「さあ、今から手術を始めますよ」
「頑張ってくださいね」
「もうすぐ終わりますよ」
と、心の中で、あるいは時には声に出して話しかけていました。
特に緊張感の高い手術では、「頑張って」と自然に言葉が出ることもありました。
当時は、それが特別な意味を持つ行為だとは意識していませんでした。
けれど今振り返ると、それは患者さんへの敬意であり、
同時に自分自身の集中力や覚悟を保つための行為だったのだと思います。
ユマニチュードが「技術」として教えてくれたこと
ユマニチュードでは、こうした無意識の行為を「技術」として言語化し、意図的に実践します。
技術として学び、実践することで、自分の思考や行動をポジティブな方向へ整えていく効果があります。
相手が反応しないからといって、関わりを止めない。
言葉をかけ続けることは、人と人との関係をつなぎ続ける行為です。

私たちが目指す病院の姿
この考え方は、私たちがこれからつくろうとしている病院の姿とも深く重なっています。
2026年11月に開院を予定している南港ユマニテ病院は、
単に新しい建物や医療機器を備えた病院ではありません。
目指しているのは、
どんな状態の方に対しても、関係を結び続ける医療です。
どんな状態の方にも、関係を結び続ける
意識がはっきりしない方、
言葉でのやりとりが難しい方、
不安や緊張の中にいる方に対しても、
「今から何をしますね」
「あなたのそばにいますよ」
と、言葉・視線・態度で伝え続ける。
ユマニチュードのオートフィードバックは、
南港ユマニテ病院が大切にしたい医療の姿勢そのものだと感じています。

声をかけ続けることが支えるもの
声をかけ続けることは、患者さんを尊重すること。
そして同時に、医療者自身の専門性と誇りを支えることでもあります。
新しい病院では、医療技術と同じくらい、
**「人として、どう関わるか」**を大切にしたい。
南港ユマニテ病院は、
人と人との関係性を丁寧に育てる医療を、
地域の皆さまとともに実践していく病院でありたいと考えています。
クラウドファンディングのご案内

現在、南港ユマニテ病院の開院に向けて、
私たちの想いや病院づくりの方向性を多くの方と共有するため、
クラウドファンディングを実施しています。
この病院が大切にしたい
「どんな状態の方にも、関係を結び続ける医療」
「人として向き合い、声をかけ続ける医療」
を、ぜひ多くの方と一緒につくっていきたいと考えています。
取り組みの詳細は、以下のページをご覧ください。
皆さまのご支援、ご参加を心よりお願い申し上げます。