「職員紹介」 特別養護老人ホーム 加賀屋の森 介護士:Part.1

2024年2月27日

介護士
桂 菜摘、前間 未来、土岐 翔、米山 景翔、池田 亜樹

コンパニオンアニマルと取り組む
ここだから得られる、たくさんの学びがあります。

左より)池田 亜樹、桂 菜摘、前間 未来、米山 景翔、土岐 翔

社会福祉法人 健成会が運営する『加賀屋の森』は、犬や猫といったペットとふれ合える特別養護老人ホーム。このペット、実は介護スタッフなのです。「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」という取り組みで、高齢者施設だからこそ慣れ親しんだ自宅と同じ環境で過ごしてもらいたい、それまで犬や猫を飼っていたのならここでも同じように暮らしてもらいたい、そうすることで入居者様が癒やされるだけでなく健康面にも効果が生まれる。そんな想いから関西圏の特別養護老人ホームとしてはじめて2018 年に導入。加賀屋の森では、5 名の介護士がペット担当職員としてコンパニオンアニマルをサポートしています。今回はこのペット担当の5 名に加賀屋の森で働くことについてインタビューしました。

★加賀屋の森に入職しようと思った理由は?


土岐 翔 私が通っていた動物専門学校にペットセラピーコースというのがあって、犬が人を癒やす能力を高めるためのペットケアを学んだのですが、実習先がここ、加賀屋の森でした。昔から家でワンちゃんを飼っていたこともあって、動物関係の仕事に就きたいと思っていました。学校に入学した頃は、ペットショップに勤めるつもりでしたが、実習を経験して介護職の方が面白そうだと入職を決めました。

米山 景翔 介護士になっている友達がいて、話を聞くたびに良いなぁと思っていたのと、曾祖父が老人ホームに入っていて面会に来たとき、お世話してくださる介護士の姿に接し自分もやってみたいと介護士を目指すことにしました。また、僕も土岐さんと同じ動物専門学校に通っていたので、ここなら大好きなワンちゃんや猫ちゃんと一緒にいられ、介護の仕事もできると感じたのです。しっかりとした休暇制度も魅力的でした。

桂 菜摘 高齢者の方がいらっしゃる施設を回り、ワンちゃんとふれ合うことでおじいちゃん、おばあちゃんを元気づけるドッグケアセラピーという仕事に就きたいと思ってました。でも、職業としてはまだ成り立っていなくて。動物専門学校の先生に相談したら2 つ上の先輩が加賀屋の森で働いていると聞いて興味が湧きました。小さい頃から人を助ける仕事がしかったんです。その後、実習で訪れ介護という仕事の面白さを体験。憧れていたドッグケアセラピーに近い仕事ができると思い、就職することにしました。

前間 未来 高校時代、社会福祉と環境の関わりを学ぶ環境福祉というコースに入っていました。野菜を育てたり、介護士の初任者研修の勉強をしたり…。昔から動物が好きだったので、介護と動物のお世話、その両方がかなえられるところはないか、と先生に相談したところ加賀屋の森を紹介され、入職しました。ペット担当になって今年で4 年目になります。

池田 亜樹 ずっと事務職をやってきたのですが、ちょっと違うことにチャレンジしたいと思っていました。そんな時、仕事を頑張っている友人と話し「こんなに一所懸命になれる仕事もあるんだ」と知ったのが、介護の仕事でした。私はもともと動物が苦手だったのですが、ペット担当が足りず手伝うことになり、入居者様と1 日過ごすペットの力を間近に見て好きになり、そのまま担当を続けさせてもらっています。アロマトリートメントも覚え施術しているのですが皆さんとても喜んでくださり、ここに入職して良かったと思っています。

★加賀屋の森は「コンパニオンアニマル」を導入したユニークな特別養護老人ホームです。
ペットが行う介護について、その効果をお話ください。

土岐 翔 ペットは私たちと対等の関係、スタッフの一人だと思っています。コンパニオンアニマルとして「いおり(庵)」という名前の今年9 歳になる柴犬がいますが、塞ぎがちな入居者 様のところへ連れて行くと、それまで感情を表せなかった人でも笑顔を見せてくれたり、仕事が終わってペットルームに戻るときには「またねー」と言ってくださる方も。ペットたちは施設の中にたくさんの笑顔を生み出してくれています。

米山 景翔 「いおり」とか「ちび」といったペットたちは、仕事を一緒にするパートナーだと思っています。いつもは無口な人が、ペットを連れて行きふれ合うことで言葉がよく出てくるようになったりします。「いおり」に話しかけたときには、僕の方がびっくりしました。僕だけでは見せてくれない一面を、ペットと一緒だと見せてくれるのです。


桂 菜摘 

仕事仲間だと思っています。ペットにしかできない仕事もたくさんあります。ショートステイの利用者様も「いおり」に会いたくて来てくださる方もいます。コンパニオンアニマルには猫もいるのですが、猫とふれ合うことを楽しみにしている方もいらっしゃいます。短期記憶に障がいのある方でも「いおり」の名前だけは忘れずにいてくれたり、認知症の方のところへ連れて行くと、気分が和らぎ落ち着いてくれたりします。「動物のチカラって、すごい!」といつも感心しています。



前間 未来 

コンパニオンアニマルを見て、この子たちがいてくれて良かったといつも思っています。利用者様だけでなく、私にとってもココロを癒してくれる存在なのです。仕事が上手くいかず悩んでいたところを「いおり」や「ちび」に元気づけられたことは一度や二度ではありません。みんな、かけがえのない尊敬できる仲間です。



池田 亜樹 コンパニオンアニマルと過ごしていると、毎日が“発見” の連続です。ペットを連れて部屋に行くだけで、笑顔になってくれたり…。同じような生活をしている中でペットとのふれ合いは良い刺激になったり、気分転換になっているようです。いままで見ることのできなかった笑顔を見るために、今日のふれ合いの時間をどう使うか、考えるのもペット担当者としての楽しみ。コンパニオンアニマルがいる加賀屋の森だからこそ感じられる幸せだと思っています。


ーーコンパニオンアニマルの導入にあたっては、喧々諤々のやり取りがありました。噛んだらどうする、犬猫アレルギーの方はどうすればいいなど。そんな声をひとつひとつ説得し、6 年前にスタート。今回、ペット担当に話しを聞いたところ、うれしいことに入居者様はもとより、職員にも想像していた以上の効果が生まれ、穏やかな空気が施設内には流れています。続いて、動物の存在を通して働きだしたスタッフたちが、どのように介護士の楽しさ・魅力に目覚めていったのか。

PART.2 に続きます。



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