「職員紹介」さざんかオレンジチーム
認知症地域支援推進員 杉井 由美子
認知症初期集中支援チーム員 荒川 好江
認知症初期集中支援チーム員 後藤 直美
認知症になっても「その人らしい暮らし」ができるようチームでサポート

社会福祉法人健成会が2016年から大阪市の受託事業として運営している「さきしま地域包括支援センター」。
認知症強化型地域包括支援センターとして機能する同センターに配置された「さざんかオレンジチーム」では、現在3人のチーム員が住之江区の認知症関連の相談から支援に至る業務を担っています。
★この仕事に就いたきっかけをお聞かせください
杉井 由美子 私はかつてケアマネジャーに従事していましたが、10年ほど前に認知症の義母のケアをするようになったのを機に、認知症の人への接し方について学ぶようになりました。
ちょうど国が進めていた「オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」が策定された時期と重なったことから、認知症にかかわる仕事に関心を持つようになりました。
こうした経緯から当法人に入職、当センターのさざんかオレンジチームに配属されました。
荒川 好江 若い頃は障がい者施設で働いていました。結婚・出産を経て、家事・育児と両立できる仕事として週1回ホームヘルパーに従事するようになり、その後、子どもの成長と共にケアマネジャーの資格を取得したり、グループホームなどの高齢者施設で働いたり、介護従事者としてこれまで多くの高齢者の方々とかかわってきました。
私が介護の仕事に就いた頃は認知症の方への支援の制度がない時代でしたが、高齢化の進展に伴い世の中の仕組みも変わってきました。
当センターもさざんかオレンジチームも行政の受託事業なので、営利目的ではありません。忖度なしの中立的なスタンスで、認知症でお困りの方々を支援できることに魅力を感じて入職しました。
後藤 直美 私は保育士でしたが、高齢者福祉の分野への関心が芽生えたことから介護福祉士の国家資格を取得、介護の世界に転職しました。
いろいろな高齢者施設で経験を積んでいたときのことです。同業の知り合いが当法人の介護部門に所属していたのですが、その人からさざんかオレンジチームに誘われました。
話を聞いているうちに、地域で暮らす認知症の人を支援することはとてもやりがいのある仕事だと感銘を受け、このチームの一員になりたいという思いが強まったことから当法人への入職を決意しました。
★現在携わっている業務で心がけていることは何ですか?
杉井 由美子 さざんかオレンジチームは「認知症初期集中支援チーム員」と「認知症地域支援推進員」で構成されています。
私は認知症地域支援推進員として行政をはじめ、区内の医師会や地域包括支援センターなどと連携し、地域の認知症対応力向上に向けた業務などに携わっています。
区民や専門職向けの研修会の企画・運営や、地元の企業やボランティアの方々を巻き込んで、区民に認知症への理解を促す活動などを通じて、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らせるまちづくりに取り組んでいます。
多くの方々とかかわるので、常に言葉遣いや分かりやすい説明を心がけています。この仕事に就くと、自然にコミュニケーション力が身につきます。
荒川 好江 私は認知症初期集中支援チーム員として、地域にお住まいの認知症の方や認知症の疑いのある方に対して、認知症の診断や適切な医療・介護サービスにつなげられるようにご自宅を訪問し、一定期間(6カ月以内)集中的に支援しています。
提案したい支援内容がご本人やご家族の意向と異なることもあります。そんなときは結果を急がず、しっかりと傾聴して支援の選択肢を検討します。相手側の思いを汲み取るためにも、「話しやすい雰囲気づくり」を大切にしています。
後藤 直美 私も認知症初期集中支援チーム員です。ご本人やご家族と集中的にかかわっていくために、ゆっくりとご本人様のペースに合わせながら信頼関係を構築するよう心がけています。
認知症の支援において「思い込み」はNGです。ご本人がどうしたいのかをその人のバックボーンをしっかりと見据え、ご家族の思いも踏まえたうえで支援の方向性を考えていきます。
当センターに寄せられるご相談のなかには困難事例も多々あります。チーム内で知恵を出し合い、支援のタイミングを見極めるよう努めています。

★仕事のやりがいや今後の目標についてお聞かせください
杉井 由美子 これまで多くの方々と出会ったことは、私にとって大きな財産です。同じ目標を持った仲間たちは本当に心強い存在です。
これからも地域でのネットワークづくりに努め、認知症の方々に笑顔を届けたいと思っています。
荒川 好江 私たちの仕事は誰かの人生にかかわることであり、これは自分の成長にもつながります。
プライベートでも友人や知人からの相談に広い視野で一緒に考えることができるようになりました。
今後は後輩の育成にも力を注ぎ、この仕事のやりがいを伝えていきたいと考えています。
後藤 直美 対話をすることが難しい状態だった認知症の方が心を開いてくれたときは本当にうれしく思います。適切な医療・介護サービスにつなげる「きっかけづくり」にかかわることは責任が重い分、やりがいや喜びも大きいと実感できます。
何でも話し合えるさざんかオレンジチームに入って本当によかったと思っています。