「職員紹介」 めばえキッチン・スタッフ

2024年8月21日

めばえキッチン住吉公園店(汐かけ横丁屋台村)
山下 桜

たくさんの「おいしいね」が聞ける場を持って、
これまで以上に幸せになれそうです。

★料理の世界で生きていこうと思ったのは?

「おいしいね」が飛び交う環境の中で育ちました。母の家がタコ焼き屋さんだったり、母方の祖母の実家が和菓子屋さん、父方の祖母がスナックを経営していたり…。私の家も、みんなでパンを作ったりするような家庭でした。
そのせいか小さい時から食べることが好きで、それが高じて料理をつくることに興味を持つようになったのです。そして短大へ進み、栄養士の資格を 取りました。「食事」は生きるために欠かせないもの、という点も料理の世界がもつ大きな魅力に思えました。

★「めばえキッチン」で働くことになった経緯を教えてください。

短大卒業後8年間、保育園で給食を作りながら子供たちに食に関する正しい知識を伝える「食育」に携わってきました。
でも、カフェを開きたいという夢は諦めきれず、好きな紅茶屋さんのティールームで働いたりしました。松屋町にご夫婦でやっているカフェがあり、よく相談にのってもらっていたのですが、そこを間借りする形でようやく自分の店を持つことができました。
その後、縁あって北加賀屋に移転。しかし、オープンした途端、コロナ禍による営業制限を余儀なくされました。通販など試行錯誤してなんとか乗り切ったと思ったら、今度は歩道拡幅による店舗立ち退きという羽目に(笑)。そこで4 年ほど営業しました。9割が外国からの宿泊客というユースホステル内の店だったので、ほかにはない貴重な経験ができました。
2024年に入って紅茶専門店でバイトをしていた時、めばえキッチンの方から声をかけていただいたのです。住吉公園に新しいお店を出すことになったので、一緒にやりませんかって。

★めばえキッチンのどこに魅力を感じたのでしょう?

私のカフェ、名前は「sakuri(サクリ)」というのですが、これは自分の名前のサクラと、ゆっくり、まったり、のんびりの語尾にある「リ」を組みわせたもの。お店を出すにあたって大切にしたのが「からだにやさしいもので、おいしいおやつ」という想いでした。
めばえキッチンのコンセプトは「カラダにいいとおいしいをひとつに」。目指しているものがここまで一緒なら、自分のアイデアや経験が活かせる。それで、お役に立てるのならこんな楽しいことはない、と参加を決めました。オープンまで2週間、大変なのはわかっていましたが。
北加賀屋にお店を持って以来、めばえキッチンを運営する南港病院のことを、寿楽温泉など地域に関わる活動を行っているユニークな病院だと興味をもって見てきたのも大きかったです。



★現在、担当していることは?
その際、心がけていることは何でしょう?

メニュー開発と調理をメインに、ときどきお店で接客もします。
メニュー開発では、めばえキッチンは「野菜研究所」を謳っているので、やはり野菜を中心に。野菜は奈良の法人の農園で収穫された無農薬のものが中心になります。スーパーに並んでいるような形の整ったものではありませんが、食べてみると味が濃くておいしい。私はこれまでカフェでお菓子を中心に作ってきたので、カレーや副菜を考えるのがとても楽しいです。
先日は「オカワカメ」という野菜が届きました。はじめて見るもので、どんなものか調べることからはじめました。これ、中国から長寿の薬草として伝わってきたのだそうです。こういう新鮮な試みもめばえキッチンに来たからこそ、味わえるもの。日々、成長している手応えがあります。

健康に気遣った食材・調味料を使っていることを、お店の特色にしたい。

住吉公園では、私がこれまで学んだ中でいちばん好きな紅茶を提供しています。スリランカから輸入しているフレーバーティーで、作られた香りでなく素材そのもののナチュラルな香りが特徴。さらに、この茶葉を水出しすることでカフェインを抑え、まろやかで飲みやすいテイストとなるように仕上げています。
また、砂糖はsakuriで使っていた鹿児島県喜界島の洗双糖を使っていく予定。漂白などの処理をしていないので、カルシウム・鉄分といったミネラルが多く含まれているのです。めばえキッチンではコンセプトそのままに、おいしさはもちろん、食材から調味料などお客様の健康を考えたメニューをもっともっと提供していきたいと考えています。
それを目指して、お客様が来てくれるようになったら良いですね。


 

★めばえキッチンを舞台に、どんな夢を描きますか。

住吉公園汐かけ横丁屋台村は、15店の飲食店がみんなでチカラを合わせて、場を盛り上げることを目指すユニークなプロジェクトです。他のお店の取り組みを知ることで、自分の料理の世界が広がる。めばえキッチンだけでも何人ものスタッフが協力し、お店を作り上げようとしています。ずっと一人で仕事をしてきた私にとって、チームで働くことは初めての経験。なんと心強いことでしょう。

メニュー開発は、終わりのない作業です。もっとおいしくなるはず、もっとスピードアップできるはず…。そうやって、学び続けられることが料理の素晴らしさだと思っています。お店に仲間が増えていったら、意見を交換しあいながら、時に刺激し合いながらお互いを成長させていくことができる。北加賀屋のお店がなくなって半年、そんな私に次へ進むための環境を与えてくださったことに感謝しています。より多くの「おいしいね」が待つ場所を得た今、子供時代に還ったような、料理をつくる幸せに浸っています。



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